魔法少女のステッキ

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『ヒトリシズカ』誉田哲也 複数の事件と一人の少女。最後に見えてくるものとは・・・?

ヒトリシズカ誉田哲也 あらすじと感想

ヒトリシズカ (双葉文庫) [ 誉田哲也 ]

価格:668円
(2017/9/23 23:07時点)
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<あらすじ>

 本書は、あなたに新しい興奮をもたらす。それは第一章「闇一重」で幕を開ける。

 男が拳銃で撃たれて死亡する。犯人逮捕が間近となった矢先、司法解剖をした法医学者から連絡が入る。心臓に達していた銃弾は、一度止まってからまた動いたというのだ―――。

 第二章「蛍蜘蛛」で驚愕、第四章「罪時雨」で唖然、最終章「独静加」で…何を見る?

 

<感想・ネタバレ有り>

 個人的にすっごく面白かったです。事件が解決すると、彼女の謎が深まる。もっともっとってどんどん読み進めてしまいました。

 

 とある事件後、『静加』という中学生の少女が行方不明になった。その事件の被害者は死亡、犯人は逮捕された。事件と少女の関係性は無いもののように思われたが…?

こうして物語は幕を開ける。

 

 いわゆる一般的な犯罪ミステリーに加え、一見事件に関わりのなさそうな静加という存在が見え隠れするようになっていく。

 

 第2章と第3章で彼女の異質さが浮き彫りになっていく。しかし、目的が読めない。何が彼女をそうさせるのか。

 

 第4章では彼女の過去が明らかになる(といっても幼少期から失踪前の中学生までだが)。幼少期のこの経験が彼女をこんな風にしてしまったのだろうか。だが、幼少期からすでに今の様な思考を持っていた…?

 

 そして最終章。腹違いの妹と静加の死。

 静加にとってミオはどんな存在だったんだろう。犯行の際に偶然出来てしまって仕方なく?それとも第一の事件からこの子を連れ去ることを企てていた?

 

 

 事件が起こって静加の存在が見えるたびに、その異質性が浮き彫りになっていった。残虐さや躊躇の無さ、そして何かに対する恨み。でも、最後に彼女から読み取れたのは母性だったり愛情だった、と私は思う。

 

 そして、彼女の残虐性も父親にしか向けられていなかったと思う。だって父親を殺してからは、ミオの戸籍を作るためにしか犯罪に手を染めていないから。

 10年近く経って、もともとの戸籍主が身分証を所持して死んでしまったのは誤算だったんだろうけど。

 

 普通じゃない思考を持っているはずなのに、唯一読み取れる普通が「慈しみ」。それがとてつもなく切なくなったのは私だけだろうか。彼女の望んだ世界は一体どんな世界だったんだろう。