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【感想】これってホラーサスペンス?『月の裏側』恩田陸

『月の裏側』恩田陸 あらすじと感想

 

【あらすじ】

 九州の水郷都市・やなくら。ここで三件の失踪事件が相次いだ。消えたのはいずれも掘割に面した日本家屋に住む老女だったが、不思議なことに、じきにひょっこり戻ってきたのだ、記憶を喪失したまま。

 まさか宇宙人による誘拐(アブクション)か、新興宗教による洗脳か、それとも?事件に興味を持った元大学教授・協一郎らは「人間もどき」の存在に気づく…。

 

【感想】ネタバレあります。

 やなくらへ恩師(協一郎)に会いに来た多聞は、失踪事件について彼から耳にする。

 

 失踪事件に巻き込まれた老人たちは、失踪してから戻ってくる間の期間のみ、記憶を失っている(つまり誘拐以前の日常生活の記憶はある)。本人たちもどうしていなくなったのか、どこにいたのか、何をしていたのか、誘拐犯はいるのか、何一つわかっていない。

 

 不思議なことが起こったものだ…と物語はスタートする。

一見すると、ただの謎解きミステリーに思えるが、事件はより深み・気味悪さを含んだものだと明らかになっていく。

 

 

 じつはこの協一郎、弟夫婦が過去に失踪事件に巻き込まれていた。

見た目も日常生活も失踪前と何ひとつ変わらない。でも、食べる速度があまりにも同じであることに協一郎は違和感を持っていた。

箸の運びが同じスピードなんだ。まるで、鏡に映った人を見ているみたいに (p.191)

 

 驚いて振り向くスピードも一緒なのだという。

 その人らしさはコピーできても、まるで無意識のしぐさは範疇外だとでも言いたげだ。

 

 そして猫がどこからか持ってくる人間の部位を模したものの存在。多聞が拾ったのは耳だった。

 

 猫を埋葬するために、火葬場へ持っていったら、何も出てこなかった。普通は骨が残るのに…。なんて事象もあった。

 ここで、猫まで偽物なのか?というか、入れ替わっていたとして、それは生物ですらないのか?という疑問を持つ。

 

ホラーサスペンスってやつなんだろうか?

 物語が進むにつれて大きくなる気味悪さと深まる謎に、一気に最後まで読んだ。

 

「盗まれた」だの「盗まれていない」だのよくわからん。

 最後まで読んだんですけどね、結局何が言いたいのか、「盗まれる」って何なのか、全く分からなかったです。

 あらすじを読んでもちんぷんかんぷん。

 

 あらすじに『郷愁』って言葉がよく出てくるので、辞書も引いてみました。

【郷愁】ノスタルジア・過去をなつかしむ気持ち

 ますますよくわからん。そんな雰囲気あったっけ?いなくなっちゃうのが怖い、自分が取り替えられてしまうのが怖いって内容じゃなかった?

 

 僕たちが生きていると信じているこの現実のほうこそが、そもそも誰かのみている夢なのではないか。 (「解説」より)

う~ん?つまりはこの小説の世界では生物は『盗まれる』のが当然で、多聞たちが信じている『人間として生きる』っていうのが夢物語ってこと?

 

 『盗まれている』のにその期間(つまり失踪期間)は記憶がないから、皆、自分は人間だと思っているけど、本当はそうじゃないんだよってこと、なのかなあ。

 

 え~、結局何が言いたいのかわからん!「盗まれる」理由も読み取れなかったし。

 謎が深まっていく、不可解なものになる、でも気になる!って感じですごい興味をそそられたんだけどな。謎が謎のままで読了感悪いなあ。