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【感想】 『アイスクリン強し』 畠中恵

アイスクリン強し』畠中恵 あらすじと感想

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アイスクリン強し [ 畠中恵 ]
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〈あらすじ〉

 お江戸が東京へと変わり、ビスキット、アイスクリン、チヨコレイトなど西洋菓子が次々にお目見え。築地の居留地で孤児として育った皆川真次郎は、念願の西洋菓子店・風琴屋(ふうきんや)を開いた。今日もまた、甘いお菓子目当に元幕臣の警官たち「若様組」がやってきて、あれやこれや騒動が…。キュートなスイーツ物語。

 

〈感想・ネタバレ有り〉

 時は明治二十三年、真次郎が西洋菓子店「風琴屋」を開店させたところから物語は始まる。

 この「風琴屋」に集う人々は、真次郎の幼馴染みで黙っていれば美少女の小泉沙羅。同じく幼馴染みで巡査を生業にする長瀬。それから長瀬を中心とする元幕臣の警官たち「若様組」といった人たちだ。

 

 あれやこれやと風琴屋には事件が舞い込んできて…。

 

 本書の冒頭にも描かれているが、江戸から明治への時代の移り変わりは、人々の生活も大きく変化させた。

 衣服は和装から洋装へと変わっていき、男はマゲを切り落とすこととなり、武士という職は無くなっていった。開国が始まり新しい文化がたくさん入ってきた。その一つが西洋菓子いわゆるスイーツなのである。

 

 

 事件が起きたり、巻き込まれたり、乙女の恋心と嫉妬心を垣間見たり、病気に立ち向かってみたり。問題を持ち込んでくるのはいつも長瀬なのだけれど…。

 

 時代にうまく順応できない人々を描いた章や、貧困、戦争、貿易などを題材にした章がある。それらが”食”(本作では西洋菓子)に関係して、解決していく様が見事だと感じた。

 

 真次郎と沙羅の関係も絶妙な余韻が残されていて、読者の想像がかきたてられる。両片思いではあるだろうが、恋仲になるにはもう少し時間がかかりそうだ。

 

 時代の移り変わりに翻弄されながらも、強く楽しくガヤガヤと生きていこうとするキャラクター達が微笑ましく感じられる作品だった。