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魔法少女のステッキ

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【感想】「向日葵の咲かない夏」 道尾秀介

『向日葵の咲かない夏』 道尾秀介 あらすじと感想

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向日葵の咲かない夏 [ 道尾秀介 ]
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<あらすじ>

 夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝動もつかの間、彼の死体は消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。

 

<感想・ネタバレ有り>

 「小説 おすすめ」で検索するといくつかのサイトで紹介されていたので、手に取ってみました。

 人を選ぶ作品だろうなあ、というのが正直な感想。

登場人物たちが、みな歪であるというのがそういう気持ちにさせるんだろうか…。

 

 S君が生まれかわって現れるという世界観もぶっ飛びだが、これは設定として受け入れることが出来る。

 読み進めていくなかで、違和感や不快感を感じることは他にもある。

  • 3才の妹・ミカがあまりにも大人びている
  • 魔法(?)が使えるトコ婆さんとは何者なのか
  • S君がたびたび嘘をつくのはどうしてなのか

 

 事件の核心に迫ったと思ったら、S君の嘘が発覚してふりだしに戻る、の繰り返しで…。「S君は何がしたいんだ?」と思わずにはいられなかった。

 

ミステリーとしての読みごたえはばっちり!

「S君は殺されたんだよね?」

「自殺なんてするものか。僕は殺されたんだ。」

「誰に……」

「先生にだよ。僕は岩村先生に殺されたんだ」

 というS君の告白から、S君の死体さがしがスタートします。

 

 岩村先生がS君を殺した理由とは?死体はどこに、何故持ち去ったのか?

このあたりの推理合戦は読みごたえがあって、すごく面白かったです。岩村先生を尾行するシーンではハラハラしました。

 

 ただ、登場人物がみんな割とサイコパスなので、動機と行動が理解しがたいことがしばしば。

 終盤は主人公のミチオの言動もなんだかおかしくて、「実は一連の事件の犯人は僕で~す。」なんで言われたらどうしようかと心配になりました。が、それはなかったです(良かった!)。

 

 結局、どうしてS君は「殺された」だなんて嘘をついたんだろうか?ミチオが許せなかったのかな。

 それから岩村先生は事件に無関係だということが明らかになったけれど、あんな異常な性癖の持ち主なんだから、主犯じゃなくていいから関与くらいさせてあげてほしかったなあ。