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魔法少女のステッキ

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【感想】 『パズルの軌跡』 機本信司

『パズルの軌跡』機本信司  あらすじと感想

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〈あらすじ〉

 ようやく就職した綿貫基一の元に、一通のメールが届いた。それは”ネオ・ピグマリン”という怪しげな会社から接触を求めるものだった。渋々担当者と会った綿貫だったが、彼らの依頼は、資産家息子の失踪事件の調査を、量子コンピュータを開発した天才美少女・森矢沙羅華にしてほしいというものだった。綿貫は、普通の女子高生に戻ろうとしている沙羅華を説得し、調査への協力を取り付けたのだが――――。

 沙羅華と綿貫に、待ち受ける難事件とは!?

〈感想・ネタバレ有り〉

 この『パズルの軌跡』『神様のパズル』の続編になっています。

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 『神様のパズル』も読了済みです。

「神様のパズル」でタッグを組んだ主人公コンビが、本作『パズルの軌跡』でもまたタッグを組み暴れていきます。

 

 続編ですが、前作を未読でもさしつかえない内容になっていたと思います。現に私も、前作を読んだのは2~3年前で、あまり覚えていませんでしたが気にせず読み進めることができました。

 

 一応、前作からの情報で持っていた方がいい知識は

  • 沙羅華は天才であるが故に、周りとの協調・生き方に悩みを持っている。
  • 沙羅華の出生がちょっと複雑である

 ぐらいではないかな、と思います。他は本編でカバーできるし、それほど大筋に絡んでこないものもちらほらとありましたね。

 

事件解決ミステリー!かと思いきや、内容は哲学チック

 あらすじにもある”失踪事件の調査”は沙羅華によってあっという間に手がかりが揃ってしまいます。なんてたって彼女は天才ですから。

 

 失踪者たちの共通点を探っていくと『ノアスの園』というサイトにたどり着く。

 この『ノアスの園』を利用すると、”幸せ”のその上の”至福”である自分に生まれ変わらしてくれる、そうだ。

 自殺斡旋サイトか?それとも宗教団体か?

いろいろあって沙羅華と綿貫はこの怪しい団体に潜入することとなってしまった。

 

 『ノアス』によれば、”幸せ”・”至福”とは”不安”や”不満”がないことなのだという。

それは「もっとこうありたい」という自我を持たないこと、らしい。

 「プライドがなければもっと穏やかに生きられる」とかそんな感じかな、と思って読んでいた。

 

 『自我を捨てることが一般的に見ておかしいことはわかる。でも、捨ててしまえさへすれば、自我を捨てることさへおかしいことと思わないで、全てを肯定して生きていける。これは”至福”だ。』

 っていうのはなかなか深くて難しい。理解できるようなできないような…。

 

 ”自我”ではないけれど少し似たテイストの映画を見たことがある。

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 死者をよみがえらせて、働かせて…。屍者は生前よりわずかに軽くなる。それは魂の重さだ!って言っていた気がする。意思を持たないとか…。

 この作品を見ていたからか”自我のない人間=屍者”というイメージがすごく強い。

夜中に観て内容があやふやなので、もう一度きちんと観直したいと思う。

 

『ノアス』の名前の由来に隠された真実

「ここに二つの道があるとする。行く手には門があって、その門を抜ければ、さらに一本道が続いていて、先へ行けるんだ。ORゲートというのは、二つの道の一つでもパスできれば、門が開く。つまり次のステップに向かって、歩き出せる。一つでも希望があれば生きていけるってところかな。けど、何も希望がなきゃ、どうなるんだ。ORゲートだと、門は閉じたまま、開かない…。」

 

「それとは別に”NOR(ノア)ゲート”てものもあるんだ。そいつは二つの道が二つとも駄目だったときに門が開く。つまり、道が閉ざされたときに開くゲートなんだ。さて、その門の先にある一本道が、希望に続くと思うか?」

 

「先にあるのは”死”だろ。そんな連中がつながるわけでもなく、群れ集まっている。だからNORの複合体で、 ”ノアス”さ。つまりノアスとは、希望どころか、死につながる一本道なんだ。」  (P.349)

 

 ORゲートもNORゲートも開かない人間は道の真ん中で立ち尽くせってことか?って思った私は相当ひねくれているとして。

 

 要は、二つの道を行ったり来たりしながら、泥臭くもがいて、小さくてもいいから希望を見出して進む、ということが”生きてる”ということに繋がるってことなのかな。