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魔法少女のステッキ

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【感想】 『残り全部バケーション』 伊坂幸太郎

読書

『残り全部バケーション』伊坂幸太郎 あらすじと感想

〈あらすじ〉

 当たり屋、強請りはお手のもの。あくどい仕事で生計を立てる岡田と溝口。

ある日、岡田が先輩である溝口に「足を洗いたい」と打ち明けたところ、条件として”適当な携帯番号の相手と友達になること”を提示される。

 デタラメな番号で繋がった相手は離婚寸前の男。

かくして岡田は解散間近の一家と共にドライブをすることに――――。

その出会いは偶然か、必然か。裏切りと友情で結ばれる裏稼業コンビの物語。

  • 第一章 残り物全部バケーション
  • 第二章 タキオン作戦
  • 第三章 検問
  • 第四章 小さな兵隊
  • 第五章 飛べても8分

 

〈感想・ネタバレ有り〉

 ざっと読んでみて感じたことは、すごくテンポが良い作品だということ。

 伊坂作品のキャラクターは悪人であっても憎めないことが多い。今作の岡田と溝口も同様で、シニカルとユーモラスに富んだキャラクターだった。

 

 自身も善ではないのに、自分よりも悪い奴を見つけると「あいつらはサイテーだな」なんて言ったりする。読者としては「キミが言えることか?」と思うんだけれど、そんな性格だから憎めない。

 

 コンビを解消した岡田と溝口。溝口は組織からの独立を考えていたのだが、ボス・毒島にばれてしまう。

 溝口は岡田に罪をなすりつてしまった。毒島の怒りに触れて無事だった者はいない、岡田もきっと…。

 

 毒島に復讐をしようと考えていた溝口だったが、最終章で岡田が生きている可能性があることを知る。

 毒島が言うには、自身が閲覧していた『食べ歩きサイト』を更新しているのが岡田だと言うのだ。

 

 ブログの更新者名は”サキ”。

この”サキ”って第一章に出てくる家族の娘”早坂沙紀”から取っているんじゃないか?と私はにらんでいる。

 

「サキってのは、どこかで知り合った女の名前じゃないのか」(P290)

という毒島のセリフもあるので。

 

 明確にされていないからこそ、そこを想像する面白さがある。

果たして最後に届いたメールは岡田からだろうか、それともメルマガだったのだろうか。