魔法少女のステッキ

好きなことを好きなだけ。

民王 池井戸潤

民王 池井戸潤

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あらすじ

 「お前ら、そんな仕事をして恥ずかしいと思わないのか。目を覚ましやがれ!」漢字の読めない政治家、酔っぱらい大臣、揚げ足取りのマスコミ、バカ大学生が入り乱れ、巨大な陰謀をめぐる痛快劇の幕が切って落とされた。総理の父とドラ息子が見つけた真実のカケラとは?

感想・ネタバレ有り

 総理大臣の泰山とその息子のは何者かの陰謀により中身が入れ替わってしまう。翔は父の代わりに国会にでるが、用意してもらった原稿の漢字も読めない、バカ大学生であった。だが政治家でないからこそ、国民のための政治とは何であるか?を翔は示していくこととなる。本人は自分の思うままに発言し、このような事は意図していないと思われるが。
 一方で泰山は翔として大学に出席をしたり、就職活動に挑むこととなる。そこで泰山は政治と民意のズレを知っていくこととなるのだ。

 作品は現代の政治のダメな部分をとてもよく表している。『マスコミはスキャンダルではなく、議員の活動をもっと取り上げるべきだ』などまさにその通りだなと思う。根っからダメな政治家もいるだろうけど、真面目な政治家の考えでさえ私達に伝わってこない。政治におけるマスメディアの在り方が問われるべきだと感じた。
 
 個人的に読み応えがあったのは第六章からエピローグであった。泰山が政治の至らなさを再自覚し、ついに行動を起こす。泰山は民のために法律を改正した後、内閣を解散させるのだ。そして民意に問う『自分は総理として、国民のために活動できただろうか?』と。

 私は政治家とは本来こうあるべきではないかと思う。政治を通してやりたいことがあるから政治家になる。または、政治に疑問があるから政治家になって正していきたい。今の日本でこの考えを持った政治家がいったい何人いるだろう。改心した泰山のような民王が、政治家が今後増えていくことを願うばかりだ。

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