魔法少女のステッキ

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光の帝国 恩田陸


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光の帝国 常野物語 恩田陸

  • あらすじ

膨大な書物を暗記する力、遠くの出来事を知る力、近い将来を見通す力
「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への思考を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそり暮らす人々。不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる小説。

  • 全10章から成り、第1章で一般生活の中に紛れる常野の能力者の生き方がわかる。この章でミツノリという少年が自分の能力の意味、付き合い方を自覚していく。

第3章の「達磨山への道」では能力を持たざる者が常野一族の聖地へと足を踏み入れる話となっている。『人生の転機にある人間がこの山を登ると、その人間にとって重要な場面が目の前にあらわれるんだ。』
主人公の泰彦の心情の変化の描写がとても私好みでした。個人的にも一番読みやすい章でした。

第6章の「光の帝国」では常野の成り立ちから衰退への過去が明らかになっていきます。常野は人間の手によって衰退、分裂させられます。この本を読んでいたのが8月でしたので戦争の特集が多くリンクする場面が多々あり切なくなります。人類の衰退って人間の支配欲、征服欲が大きく関係しているんじゃないかと考えさせられましました。

その後の章では一般生活に紛れる常野の人々の生活が描かれています。
「草刈り」という章は、現代でも意地悪な人はオーラが濁っている、とか、悪口は悪い気を発している、なんて言う人がいるけど、それと類似している部分もあるんじゃないかなあと。

読むと感心、感嘆、悲壮、いろんな感情が廻りますが、いざ何に対して?と聞かれると答えるのが難しいなと思います。と、言うのも、喜びと悲しみは一体で存在していて、良い事、悪い事は別々にできないんだよ、という恩田陸さんの作風があるからなのかなと思います。

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